オーディン(北欧神話)

<人物>

オーディンは、北欧神話における隻眼の最高神です。

 オーディンの父はボル(原始の神の息子)、母は霜の巨人族のベストラとされています。
 元々は戦い・嵐の神でしたが、時代の移り変わりとともに最高神とされるようになりました。
 絵画などでは、片目が無く、長い白髭を持った老人で、つばの広い帽子を被り、グングニルという槍を持った姿で表されています。

<エピソード>

北欧神話は、日本では伝説自体があまり知られていませんが、現在でも世界中で命名や演劇や歌のモチーフになることの多い神話です。

 さて、北欧神話の神が生まれる前の原始の世界では、氷の国と炎の国、その間の巨大な亀裂しかありませんでした。
 炎と氷の空気がぶつかったところから最初の巨人ユミルが誕生しました。
 その後「神」も誕生しました。

 原始の神の孫・オーディンは、巨人たちが気に入らず、オーディンの兄弟ヴィリとヴェーと共に最初の巨人ユミルを殺し、その屍から天地を創造しました。
 また、オーディン3兄弟は海岸に流れ着いた2本の流木から最初の人間を創りました。

 オーディンはその後、世界樹ユグドラシルの根元にあるミーミルの泉の水を飲むことで知恵を身に付け、魔術を会得しましたが、その代償として片目を失ったとされています。

 最高神ですので、エピソードも多く伝わっていますが、最終的には、オーディンは「ラグナロク」において、巨大な狼の怪物・フェンリルに飲み込まれてしまう運命となっています。
 ラグナロクとは北欧神話での神話世界の終末の日、「神々の黄昏」と呼ばれます。

 なお、英語の「Wednesday」(水曜日)の語源は、このオーディンです。
 「Wodin's day」からきています。



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