道教思想で、理想の君主として崇められてきた帝です。
中国史上最高の帝であるとされています。
「三皇五帝」のうちの五帝の一人です。
「最高の帝」とされることから、夏・殷・周・秦の始祖をはじめ、その後も数多くの諸侯が、黄帝の子孫であるとして歴史書に登場しています。
中国の神話伝説上では、「三皇」(伏義、神農ら)の治世を継ぎ、統治した「五帝」の最初の帝であるとされます。
歴史書でも神話的な伝説・エピソードが多いですが、『史記』では、従わない者を討ち、道を開いて、後の春秋戦国時代に中国とされる領域をすみずみまで統治した「開国の帝王」として書かれています。
最期は竜の背に乗って昇天した、と考えられている為、現在中国にある黄帝の陵墓は、衣や冠だけが収められた、いわゆる「衣冠塚」だということです。
現在でも「中華民族の祖」とされ、歴史上の皇帝のみならず、現在でも多くの漢民族の人々が黄帝を先祖として仰いでいます。
さらに、漢の時代に、医学書で著者不明のものを黄帝の著とするのが流行した為、中国医学の始祖ともされています。
書物によっては、暦・衣服・家・舟・弓矢などを発明したという言い伝えまであります。