福禄寿、寿老人は、七福神のひとつです。
福禄寿は背が低く、長い頭に長い髭の像とされ、寿老人は帽子を被った像が多く見られます。
日本ではそれぞれが七福神のひとつとして知られていますが、本来中国ではこのふたつは同一の神(仙人)だったと考えられています。
もともとは南極老人星(りゅうこつ座のカノープス)の化身とされる仙人です。
道教で強く希求される3種の願い、すなわち幸福、封禄、長寿の三徳の意味を持ちます。
道教の始祖「老子」の化身とも考えられることもあります。
老子は、『老子』を書き、無為自然の「道」を説いた思想家・哲学者とされていますが、伝記には不明瞭な点が多く、現在では伝説上の人物と考えられることもあります。
老子の伝説には「200歳まで生きた」「生まれた時から老人だった」といった神話的なものが多いですが、儒教の始祖・孔子が『礼』について老子に教えを乞うたという伝説もあります。
孔子に対し老子は、「古代の賢人は空言のみ残って、骨は朽ちている。君子など時流に乗れなければ、あちこち転々とするだけだ。そなたの驕気と多欲、もったいぶった様子とかたよった思考を取り去りなさい」と教えたとされていますが、現在ではこれは実話ではないと考えられています。