アストライアは、ギリシア神話に登場する正義の女神です。
アストレア、アストラエラとも呼ばれます。
片手に剣、片手に天秤を持ち、神々が地上から去ったあとも、人々に正義を訴え続けたとされています。
おとめ座の由来とされる神話はいくつかありますが、そのひとつが女神アストライアの物語です。
アストライアは神と人間達が仲良く暮らしていた時代から地上にいました。
そして、たまに起こる、いざこざを解決していました。
やがて人々の心が神から離れ、神々にいけにえをささげなくなった後も、アストライアとその妹慈悲の女神アイドスは地上に留まり、人々に正義を説き続けていました。
さらに時代が進み、人間同士が殺し合いを始め、人類に愛想を尽かした他の神々が天に引き上げ去った後も、それでもアストライアは正義の道を人間に教えていきました。
しかし人間は地中から金と鉄を掘り出し、武器を作り、戦争を始めました。
地上は殺戮の血で浸されはじめました。
アストレイアは手に正義を測る天秤を持っていましたが、その頃になると天秤は悪の側に下がりっぱなしとなっていました。
そして、ついにアストレイアは堕落した人間に悲しみ、天にのぼり輝く星となりました。
それ故にアストレイアは「星乙女」と呼ばれるようになりました。
おとめ座の隣のてんびん座は、アストレイアの持っていた正義を計る天秤だとされています。
なお、てんびん座については、かつては秋分点がてんびん座にあったので、時を計る天秤だったという説もあります。
なお、タロットカードのジャスティスは、このアストライアまたはアストライアの母テーミスがモデルだとされています。