日本で七福神として知られる「布袋」は、元は中国の伝説的な僧侶です。
本名は「釈契此(しゃくかいし)」とされていますが、常に布の袋を背負っていたことから、「布袋」と呼ばれるようになりました。
伝えられている不思議なエピソードから、弥勒の垂迹、つまり化身であるとも考えられています。
布袋は、唐の時代の中国に、実在したとされている僧です。
しかし、僧侶としての「布袋=釈契此」については、出身地など具体的なことはわかっていません。
寺に所属せず、所々を転々としていたとされています。
一方で、不思議な逸話が多く残されています。
雪の中で横になっていても布袋の身体の上には雪が積もっていなかった、亡くなって埋葬された後にも目撃された、など。
こうしたエピソードから、布袋は弥勒仏の化身であると考えられるようになり、中国では仏堂の本尊に、布袋のような太鼓腹の姿に描かれた弥勒仏が本尊として安置されました。
日本では、鎌倉時代に、禅画の題材として描かれるようになりました。
その後、室町時代後期に「七福神」が成立すると、そのメンバーに組み入れられ、現在では「台所の神」として祀られています。
なお、七福神の布袋さまの背負っている袋は「堪忍袋」とみなされています。