クベーラは、インド神話の富と財宝の神です。
ヴァイシュラヴァナの別名を持ち、ヤクシャ族(夜叉)の王ともされます。
のちに仏教に取り入れられ、四天王のひとり、毘沙門天(多聞天)となります。
日本では七福神のひとつとしても有名です。
なお、薬師如来の十二神将「宮比羅(くびら)」と名前はよく似ていますが、全く別の由来を持ちます。
インド神話の中のクベーラは、シヴァ神と親しく、ヤクシャ族など多数の半神族にかしずかれています。
クベーラは、腹を突き出した異形の姿の像として伝えられていますが、千年の修行がブラフマー神に気に入られ、神となることができたとされています。
また、叙事詩「マハーバーラタ」の中では、北の方角を守護するものとなっています。
そのクベーラが、中央アジアを経て中国に仏教が伝わる過程で、帝釈天の配下である四天王のひとつ・毘沙門天(多聞天)として信仰されるようになりました。
単独でおかれるときは「毘沙門天」像、四天王の一尊として置かれるときは「多聞天」像と呼ぶのが通例となっています。
中国ではさらに、武将・李靖と習合され、托塔李天王という新しい神格も持ちました。
その後、毘沙門天は日本にも渡って、室町時代の末頃より勝負事の神さま、七福神のひとりの「毘沙門さま」として、現在でも信仰されています。
日本では、