インドラはバラモン教・ヒンドゥー教の武神、東方の守護神です。
聖典「リグヴェーダ」では、中心的な神です。
仏教には「帝釈天」として取り入れられ、さらにゾロアスター教の魔王でもあります。
インドラは、阿修羅とも戦った武勇の雷神です。
もともとは、アーリア人の間で信仰されていた非常に古い神と考えられ、紀元前14世紀のヒッタイト条文の中にも現れています。
インドラは、大きな身体をしていて、雷を操る武器・ヴァジュラ(のちの仏教での金剛杵)を持っています。
象(もしくは馬)に乗った姿で描かれ、また、酒を好み細かいことにはこだわらない非常に豪快な性格だったとされます。
その一方で、好色が祟り、人妻を誘惑して呪いを受けるような失敗もしました。
リグヴェーダでは中心的な神とされますが、現在では信仰の対象としてはシヴァ神などが中心となっています。
インドラは、更に他の宗教に影響を及ぼします。
ゾロアスター教では、バラモン・ヒンドゥー教の神々が悪神・魔王とされていますが、インドラもやはり魔王とされました。
ゾロアスター教では、アンダルの別名を持ちます。
また、仏教には「帝釈天」として取り入れられ、梵天と並び釈迦に従い助ける仏教の護法善神とされました。
仏教での帝釈天は、日本には仏教伝来とともに入り、古くは飛鳥時代の玉虫厨子に描かれていました。
東京柴又の柴又帝釈天が、日本では有名です。