パン(パーン)は、ギリシャ神話の半獣人の牧神です。
ヒツジの群れと羊飼いを監視する神で、音楽や踊りを得意としています。
恋多き神としても知られています。
パンは、上半身はヤギの角が生えた人間、下半身はヤギの姿をしています。
父親についてはいくつもの伝承があり、ゼウスやヘルメスであるという話があります。
また、好色だとされる一方で、気難しく荒い気性の持ち主であったともされています。
さて、パンの神話では、神々の宴会の席に怪物テュフォンが宴に乱入した事件がよく知られています。
怪物が乱入して、神々はめいめい変身してその場を逃げ出し、牧神パンも得意のヤギに変身して逃げました。
しかし、その際、牧神パンは、変身した姿のまま川に飛び込んでしまいました。
さらにパニックになった牧神パンは、魚にうまく変身することができずに、上半身ヤギ・下半身魚の妙な姿になって川を泳いでいきました。
星座「やぎ座」は、この化け損なった牧神パンだとされています。
また、「パニック」という言葉の語源も、この牧神パンであると考えられています。