神産巣日神(かみむすびのかみ、カミムスビ、カミムスヒ)は、天地開闢の時に現れた三柱の神(造化三神)のひとつです。
『古事記』では神産巣日神、『日本書紀』では神皇産霊尊、『出雲国風土記』では神魂命と表記されます。
高御産巣日神とともに生産・生成を意味する「産巣(むすび)」の名を持つことから、すべてを生み出した源あるいは、万物生成の働きを象徴する神さまとされています。
神産巣日神は、天地も定まらず混沌があったのみの場所に、最初に現れた「造化三神」の一つです。
造化三神は、独神(夫婦になっていない神)で、性別は超越しているとされますが、結合すればさまざまなものが生まれてくるという役割より、女神と考えられることもあります。
また、兄弟達に嫉まれ殺された大国主命の命を蘇らせるエピソードでも知られています。
古事記では、大国主の国づくりに協力したスクナビコナ(少日子根)は、この神産巣日神の子とされています。
神産巣日神は、大地にエネルギーを与える「大地母神」的な性格を強く持ち、出雲系の祖神とされていますが、現在祀られている神社はあまり多くはありません。