オシリスは古代エジプト神話で、冥界の王として知られる神です。
「最初のミイラ」としても知られています。
オシリスは、元々は生産の神としてまた、エジプトの王として君臨し、人々の絶大な支持を得ていました。
しかし、これを妬んだ弟のセトに棺おけに入れられて川に流され殺された挙句、遺体もバラバラにされ、ナイル川に投げ込まれてしまいました。
その後、バラバラになったオシリスの遺体は、妻であり妹でもある、イシスによって拾い集められ、オシリスはミイラとして復活しました。
この復活劇により、オシリスは今度は冥界の王として君臨し、死者を裁くこととなりました。
ちょうど、「閻魔大王」の地位と考えると判り易いでしょう。
その一方で、自身の遺児・ホルスをイシスを通じ後見し、セトに奪われた王位を奪還し、ホルスに継承させることに成功しました。
そして、以降、現世はホルスが、冥界はオシリスがそれぞれ統治・君臨することとなりました。
なお、研究では、古くはセトの方が重要な神として信仰されていたようですが、オシリスへの信仰が強まるにつれ、悪役を押し付けられた形になったとされています。
ギリシャ神話や日本神話にも見られるように、「神」の地位は時代時代で変わっていくということを示すものとなります。