青龍(青竜)は、中国の伝承などに出てくる、世界の四方向を守る聖獣(四神、四聖、四獣)のひとつです。
四方では東、四季では春、四色では青、五行では木を守護するとされています。
また、道教において、四海を治めるとされる四人の竜王の一つでもあります。
道教においては、「東方蒼竜」(東海竜王)、敖広(敖光・ごうこう)の名を持ちます。
中国の伝承や神話には、いくつもの龍(竜神・龍神)が出てきますが、その中で「青龍」は、古代中国の五行思想に基づき、天の四方の方角の「東」を司ると考えられている聖獣です。
戦国時代に成立した五行思想は、現在でも中国の風習・物語などに大きな影響を及ぼしています。
青龍は、有名な「西遊記」「封神演義」にも、「敖広」「敖光」として、主要な登場人物ではありませんが、出演しています。
この青龍は、日本にもかなり古くから入ってきており、7世紀末頃に築かれた高松塚古墳にもその姿が描かれています。
また、近年もマンガやゲーム、あるいは風水ブームなどで、よく知られるものとなっています。
架空作品中では「水」の象徴とされることも多くありますが、本来の五行では木を守護するものとなります。