朱雀(すざく)は、中国の伝承などに出てくる、世界の四方向を守る聖獣・四神(四獣・四象)のひとつです。 四方では南、四季では夏、四色では赤色、五行では火を守護するとされています。 現在では「四霊獣」の鳳凰(ほうおう)と同一視され、また西洋の不死鳥(フェニックス)と混同されることが多いです。
朱雀と鳳凰は、中国では本来別の由来・姿を持つ霊獣でしたが、現在ではほぼ同一視されています。
また、これらとエジプト由来と考えられる西洋の不死鳥・フェニックスとも混同されることがかなり多いです。
朱雀は、もとは守護神的な役割を持った霊獣です。
現在も風水のアイテムなどでは、頭に冠をのせた、するどい爪、嘴、美しい翼を持った小鳥として描かれています。
一方、鳳凰は、多くの場合「鳳」が雄で、「凰」が雌とされる、瑞鳥です。
鳳凰は「羽を持つものの王」と考えられ、その姿はあごは燕、嘴は鶏、首は蛇、背は亀、羽は五色で徳の高い鳥だとされています。
単為生殖で死なないと考えられる不死鳥フェニックスとは異なり、卵を産むとされています。
鳳凰の本来の属性は風でしたが、朱雀と混合されることで火(炎)となったと考えられています。
四神のひとつ朱雀としては、日本にもかなり古くから伝来し、キトラ古墳の星宿図にもその図が描かれています。
現在は、朱雀・鳳凰・フェニックスが混同されつつ、それぞれ各種の作品や意匠、命名のモチーフとして使用されています。