ハーデスは、ギリシャ神話の冥界の神です。
ハデス、ハーデースなどとも呼ばれます。
クロノスとレアーの子で、ゼウスやポセイドンの兄です。
生まれてすぐ、父クロノスに飲み込まれますが、末弟ゼウスに助けられ、冥府と地底を領域として割り当てられました。
冥府の神という性格上、神話のストーリーにも表立って出てくることは多くありません。
ハーデスにまつわる有名なお話としては、ペルセポネを誘拐し、嫁にしたエピソードがあります。
ある日ハーデスが大地の裂け目から地上を見たところ、そこにいたペルセポネに一目ぼれしました。(エロスの矢に打たれたという説もあります)
ハーデスは、ペルセポネの父でもあり弟でもあるゼウスに求婚の許可を貰いに行きますが、ゼウスは恋愛に不慣れな兄ハーデスに「女は強引な男に惚れる」とそそのかした為、ハーデスはペルセポネを誘拐するという暴挙に出てしまいます。
ペルセポネの母親デメテルは、もちろんこの暴挙に怒り、地上に不作や凶作をもたらしました。
弟とデメテルとの板ばさみで困ったゼウスは、ペルセポネをデメテルの元に返すと約束しましたが、ペルセポネは冥府のざくろの実を食べてしまっていたので、1年のうち1/3はハーデスの元で暮らすこととなりました。
ハーデスは冥府の神ゆえにオリュンポス十二神に含まれないことが多く、また漫画やゲームなどから、あまり良くない印象がありますが、兄のポセイドンやゼウスとは異なり、滅多に浮気もしないなど、ギリシャ神話上では悪い神ではありません。